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米Googleは、保有する特許の一部を好調なテクノロジー企業に譲渡すること発表した。これは特許市場を悩ませる問題に取り組む同社の積極的な試みだが、必ずしも全ての企業にとって素晴らしいチャンスになるとはいえない。
Googleの「Patent Starter Program」は、50万~2000万ドルの売り上げを持つテクノロジー企業50社を対象に、1社につき2件の特許をGoogleの特許ポートフォリオから無償提供するというもの。このプログラムへの参加が認められた企業には、アプリケーションの開発時に3~5件の特許が提示される。そこから必要な特許を2件選ぶことができる。
素晴らしい提案のようにも思えるが、このプログラムへの参加を決めた企業のメリットは、この提案から最初に受ける印象とは異なり大きく制限される。
例えば、受け取る無償特許は、参加企業が特許権侵害訴訟を初めて起こされたときに、反訴の中で防御策としてのみ使用できるという制限がある。これは実際のところ、受け取る特許の価値が限定的であることを意味する。
Patent Starter Programに参加する企業は、License on Transfer(LOT)ネットワークへの参加が最低2年間義務付けられることも重要だ。LOTネットワークはGoogleが共同設立したネットワークで、知的財産所有権(IP)の共有と特許の相互使用を推進する。
●Googleの狙いは?
経済的利益の積極的な追求を唯一の目的として特許権を獲得するパテントトロールの存在が、特許市場で大きな問題となっている。今回の決定は、このパテントトロールの活動阻止を目指すGoogleの取り組みの一環としては大きな一歩だ。
他のパテントプールとは異なり、LOTネットワークはパテントプールの各権利者がIPの使用に制限を課すことはほとんどない。唯一、特許をネットワークの外部に売却するときに制限が課される。このとき、外部の特許購入者は、ネットワークの全メンバーが使用料なしで当該特許を使用できることに同意しなければならない。
当然、この制限によって特許の商業的価値は限定され、最初にそのテクノロジーの開発に投資した企業は権利の売却益が減ることになる。だが、これは理論上、LOTネットワークのパテントプールに提出された特許は全て、ネットワークのメンバーに逆らってパテントトロールが使用することはできないことを意味する。
Googleの目標は魅力的だが、多くのテクノロジー企業は二の足を踏む。Patent Starter Programへの参加が必ずしも参加者全員にとって好都合とはいえないからだ。例えば、主に自社のIP売却を出口戦略とするスタートアップ企業にとっては、ほとんどメリットがない。
根本的に、Googleの特許譲渡は、IPと特許市場に関わりを持つテクノロジー企業を初期段階からサポートするための試みであり、この意味では全く疑問を挟む余地のない一歩だ。2015年前半、テクノロジー企業が自社の特許をGoogleに提供できる仮の特許ポータルが開設された。また、新しい検索ツールも公開された。企業による「先行技術」の発見を支援するツールで、このツールを利用することで不適切な特許が認可されることを最初の段階で阻止できる。
暫定的かつ実験的ではあるものの、特許市場と、特許の評価や収益化に注目が集まる上記のような試みにより、英国をはじめとした各地のテクノロジー企業に興味深い可能性がもたらされている。しかし、テクノロジー企業はこのプログラムに参加する前に、現在と将来のビジネスにどのような影響が出るのか慎重に検討することが必要だ。